DX班


メンバー


・熊﨑駿人
・近藤光
・秋元咲樹
・小林大輝
・近藤大翔
・富田エレデネ
・西野智貴
・布施駿

主な研究テーマ


・ブロックチェーン
・DTN
・Fog Computing

概要


 BC(Block Chain)によるIoTプラットフォームの負荷分散,DTN(Delay Tolerant Networking)におけるデータ転送, ARによるセンサデータ表示の研究を行っています.

具体的な研究テーマ


・ブロックチェーン技術を適用したIoT データ流通方式の研究

 IoT(Internet of Things)の普及により,IoT サービスを構成する IoT デバイスの台数も増加しています. それに伴い,IoT サービスの種類も増加しています.その結果,単一種の IoT データだけではなく,複数種のIoT データを利用すること,大量のIoT データの収集/解析を行うこと,スケーラビリティに対応したIoT データ流通基盤が必要です. そこで,IoT データを流通させるうえで,重要なプライバシに関わるIoT データのアクセス制御に重きを置いた新たなサービスモデル Ticket-based Access Control を用いた Tag ID-based Pub/Sub モデルが提案されています. このサービスモデルは,複数のIoT デバイスをまとめてTag ID と紐づけ,Ticket と呼ばれる一種のトークンを用いて認証,認可を行いつつ,データ流通させる Pub/Sub 通信モデルのことです.
 しかし,このモデルには Ticket による認証・認可を行うチケット認証・認可基盤(TAAI:Ticket Authentication and Authorization Infrastructure)と呼ばれる第三者があります. チケット認証・認可基盤は,チケットの認証,認可を行いつつ,データ流通を行うBrokerとしての役割を担っています. このモデルにおいてチケット認証・認可基盤は,チケットの認証,認可に必ず関わり,Broker の機能を果たすため,単一障害点となり得ます. つまりチケット認証・認可基盤がダウンした場合,システム全体がダウンする可能性があります.
 本研究では,単一障害点を排除することを目的に,ブロックチェーン(BC)技術を適用することで,チケット認証・認可基盤が行っていた処理を各ノードに分散する方式を検討しています.
 <キーワード>Blockchain,Publish/Subscribe 通信モデル,Fog Computing,アクセス制御,IoT データ流通

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図1 ブロックチェーン技術適用方式

・DTNにおけるデータの散らばり

 大規模災害によって既存の通信インフラが使用できない状況において,スマートフォンのみで通信が行えるDTN(Delay/Disruption/Disconnection Tolerant Network)が注目されています. DTNとは,災害時のような通信基盤が機能していない劣悪な通信環境でも信頼性の高い通信を実現する技術です. DTNルーティング方式は,複製メッセージを蓄積し通信可能になった場合に送信する蓄積運搬刑転送(SCF:Store Carry Forwawd)に基づきます. これはつまり,データを保持しながら移動し,通信可能な範囲に他のノードが存在した場合にデータを送信する方式です. DTNの代表的なルーティングつまり,SCFの代表的なものには感染型中継転送方式(Epidemic Routing)があります.
 Epidemic Routingとは,送信元のノードがメッセージを作成し送信可能になった全てのノードにメッセージを転送するルーティングです(図1). 送信元でメッセージが作成され,作成したメッセージを複製して,全てのノードが移動し,ノード1,ノード2と通信可能となったとき複製メッセージをそれぞれ送信します. 受信したノード1,ノード2はメッセージを複製し,それぞれの通信可能範囲にいるノードに複製メッセージを送信します. この動作を何度も繰り返し複製メッセージが広まり,宛先のノードにメッセージが到達する仕組みです.
 現在は主にシミュレータを用いてデータの広がり具合の計測および特定のデータの広がりを抑制する方法について研究を行っています(図2).
 <キーワード>DTN,対遅延性ネットワーク,セキュリティ

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図1 DTNとは
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図2 シミュレーション例